墓じまいは、「お墓を撤去して更地に戻し、遺骨を新しい供養先へ移すこと」。
私たちは2024年、叔父のお墓の墓じまいを親族7人で経験しました(そのときの体験記はこちら)。
あのとき知らないまま終わっていた流れ・手続き・費用の相場を、あらためてひとつずつ調べてみました。
ひよりねぇしゅん、叔父さんの墓じまいはすんなりいったわよね。



だね。揉めなかったし、面倒な手続きをした記憶もないし。



でもあれ、かなり特別だったみたいよ。役所の手続きが要らなかったのもたまたまで。



たまたまなんだ。普通はどんな感じなんだろうな。
墓じまいとは|お墓を撤去して、遺骨を新しい供養先へ移すこと
墓じまいとは、墓石を解体・撤去してお墓の区画を更地に戻し、管理者へ返すことです。
このとき、中の遺骨を勝手に処分することはできません。
遺骨を新しい供養先へ移すこと(=改葬)までがセットで、墓地、埋葬等に関する法律で手続きが定められています。
改葬の件数は2023年度に16万件を超えて過去最多。
この25年ほどで約2倍に増えました(厚生労働省・衛生行政報告例)。
少子化で「お墓を継ぐ人がいない」家が増えているいま、墓じまいは特別なことではなくなりつつあります。
墓じまいの流れ|7つのステップ
墓じまいは、おおまかに次の順番で進みます。
- 親族と話し合う:いちばん大切なステップです。トラブルの多くはここで起きます
- 改葬先(遺骨の新しい行き先)を決める:契約時に「受入証明書」を発行してもらいます
- お墓の管理者に伝える:寺院墓地なら住職へ。「埋蔵証明書」を発行してもらいます
- 石材店を選び、見積もりをとる:寺院や霊園によっては石材店が指定されている場合もあります
- 役所で改葬許可の手続きをする:詳しくは次のセクションで
- 閉眼供養をして、遺骨を取り出す:「魂抜き」とも呼ばれます
- 墓石を撤去して更地に戻し、新しい供養先へ納骨する
順番が前後することもありますが、「親族→改葬先→管理者」の順で話を通しておくと、あとの手続きがスムーズです。



やること多いわね…。



あの時は改葬先を探さなくてよかったから、半分くらい飛ばせてたんだな。
役所の手続き|改葬許可証と必要書類
改葬には、いまのお墓がある市区町村が発行する「改葬許可証」が必要です。
申請に必要な書類は、次の3点です。
- 改葬許可申請書:役所の窓口でもらうか、自治体のホームページからダウンロード
- 埋蔵証明書:いまのお墓の管理者(寺院・霊園)が発行
- 受入証明書:新しい供養先が発行
3点がそろったら、いまのお墓がある市区町村の役所へ提出します。
手数料は無料〜数百円程度、郵送での申請に対応している自治体もあります。
ちなみに叔父のケースでは、同じ寺院の中(家のお墓→同じ寺院の永代供養墓)で完結したため、改葬許可証は不要でした。
書類の扱いは自治体やケースによって異なるので、役所とお墓の管理者の両方に確認するのが確実です。
墓じまいの費用|相場と内訳
墓じまいの総額の目安は、50〜130万円ほど。
幅が大きいのは、改葬先に何を選ぶかで金額が大きく変わるためです。
| 項目 | 相場の目安 |
|---|---|
| 墓石の撤去工事費 | 1㎡あたり10〜15万円 |
| 閉眼供養のお布施 | 3〜10万円 |
| 離檀料(寺院墓地の場合) | 5〜20万円程度 |
| 改葬許可の手数料 | 無料〜数百円程度 |
| 改葬先の費用 | 数万〜150万円 |
※離檀料は檀家を離れるときに寺院へ包むお金で、公営・民営霊園では発生しません。金額に決まりはなく、発生しない場合もあります。
今回の叔父の実例は、解体費用60万円+お布施5万円+永代供養代100万円=約165万円でした。
内訳や、伯母が立て替えて遺産分割で精算した話は、体験記に詳しく書いています。



あの時は、永代供養代まで入れて165万だったのよね。



内訳を知ると納得だな。金額そのものより、何にいくらかかるか、か。
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墓じまいのトラブルを避けるには
墓じまいのトラブルは、おもに3つの場面で起きるといわれます。
- 親族と:事後報告は禁物です。お墓は「家族みんなの気持ちの置き場所」。撤去してから知らせると、修復のむずかしい溝になります
- 寺院と:「撤去します」という通告ではなく、「継ぐ人がいなくて困っている」という相談から入ります。離檀料のトラブルは、切り出し方で防げるものも多いようです
- 費用のこと:誰がいくら負担するかを、先に決めておきます
わが家が一度も揉めなかったのは、継ぐ人がいないことが全員に明らかだったこと、そして叔父が生前、寺院ととても良い関係を築いていたからでした。
墓じまいは、生前のお寺との関係で決まる。
これはレアケースかもしれませんが、経験して実感したことです。
改葬先の選択肢|遺骨の行き先で費用が決まる
取り出した遺骨の行き先には、次のような選択肢があります。
それぞれ詳しい記事があるので、あわせて参考にしてくださいね。
- 永代供養墓:寺院や霊園が代わりに供養してくれるお墓。叔父はここへ、骨壷のまま移りました。永代供養とは?種類・費用・選び方
- 樹木葬:樹木や草花を墓標とするお墓。樹木葬の種類と費用、選び方
- 納骨堂:屋内に遺骨を収蔵する施設。納骨堂の種類と費用、選び方
- 海洋散骨:粉骨して海に還す方法。改葬ではなく手続きの扱いが異なる場合があるので、事前に確認を。海洋散骨の種類と費用、選び方
選択肢をぜんぶ並べてくらべたい方は、供養の選択肢6つと費用をくらべましたもどうぞ。
まとめ
- 墓じまいは「お墓の撤去」+「遺骨の引っ越し(改葬)」のセット
- 流れは7ステップ。「親族→改葬先→管理者」の順に話を通す
- 役所の手続きは書類3点(改葬許可申請書・埋蔵証明書・受入証明書)
- 総額の目安は50〜130万円。改葬先しだいで大きく変わる
- トラブル対策は「事後報告にしない」に尽きる
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叔父さんの時は本当に恵まれてたのね。ご住職に感謝だわ。



段取りも大事だけど、人間関係も大事だったな。



ほんと。貴重な体験できたと思う。



確かに。お墓は特に、焦らず、放置せず…だな。
相続のお話はこちらです。








