家の中でいちばん場所を取っているのは、たいてい家具です。
私は大きい家具を、3年かけてひとつずつ手放しました。どれも業者には頼まず、解体して車に積んで、自治体の処分場に持ち込んでいます。ひとりでやれたものもあれば、助っ人を呼んだものもあります。
処分場に払ったのは、記録が残っているぶんで490円でした。
ひよりうちにソファーがあったの、覚えてる?



2階にあったやつ?



そうそう。あれね、助っ人呼んでバラして捨てたわ。



お〜お疲れ〜
大きいものから手放すことにした
きっかけは、亡くなった義母の部屋を片付けたことでした。
8畳の部屋ひとつ分の荷物を、私ひとりで片付けました。とても大変だったのを覚えています。
そして、私は子供たちに同じ苦労はさせたくないと思いました。
小さいものは、いつでも捨てられます。減らそうと思えば少しずつ減らせます。けれど大きな家具は、動かすのもひと苦労。
自分が動けるうちに、大きいものから片付けておこう。そう決めたのです。
食器棚は2時間で板になった
最初に手放したのは食器棚です。
もともとは食器棚として売られていたものではありません。夫と暮らしはじめてしばらくは食器棚を持っていなくて、両面ハッチ(前後どちら側からも出し入れできる収納棚)を食器棚代わりに使っていました。そのあと夫の実家に移ったときに、リビングボードとして売られていたものを買って、食器棚として使いはじめたのです。そこから30年以上たっていました。
中身を出すのは簡単でした。
食器はすでにだいぶ処分していたため少なく、吊戸棚とシンクの引き出しに収まりました。
問題は、その先です。
そのまま処分場に持ち込めばいいのですが、あんな大きなもの(高さ180×幅120×奥行45cm)を積める車がありません。そもそも部屋から出せません。じゃあバラそう、と思っても道具がありません。
電動のこぎりを買おうかと思ったところで、SNSにひとことつぶやいたら…なんと!地元の同級生が「貸してやるよ」と送ってくれました。


道具の到着を待って作業開始です。
部屋にもう使わない毛布を敷いて、まずは上段と下段を分けようとしました。寝かせてから外そうと傾けたところ、ものすごい音とともに外れました。家具というのは基本的に凹凸の組み合わせでできているのだと、このとき知りました。
そこから先は、どこから手をつければいいのかわかりませんでした。考えた末に、右半分の背板をぶち破ることにしました。次に底面と側面を電動のこぎりで切り離し、残りの背板をぜんぶはがし、棚板を外します。棚板がなかなか頑丈で、最後はてこの原理の力技になりました。
木くずは逐一掃除機で吸い取りました。この部屋で暮らしているシニア猫が歩き出したら、作業は中断です。
思い立ってから2時間ちょっとで、1枚の板の集まりになりました。玄関に板を並べて、部屋を掃除するところまで入れて3時間です。


同じ日に、20年以上使った細長いテーブルも2台処分しました。
道具を借りるほうが高くつく
次は、幅120cmのタンスと、高さ178cmの本棚です。




このときは仕事のまとまった休みに合わせました。中身の行き先を決めるところからなので、解体だけの話では終わりません。
タンスの中身は、押し入れに移したプラスチックケース6つに収まりました。子どもの家から譲り受けたものが各部屋にあったので、それを集めたのです。服もこの機会にだいぶ減らしました。とりあえず持っている、念のため取っておく、を卒業しようと決めました。
本棚のほうには、CD、DVD、漫画、領収書、年賀状、ポストカード、書ききれないほどの雑多なものが詰まっていました。移動先を整えながら少しずつ出して、やっと空になりました。
食器棚のときに借りた電動のこぎりは返却していたので、レンタルを調べたら、本体が500円、刃は買い取りで1,180円でした。本体を返したあとに、いらない刃だけが手元に残ります。
やめました。
家にあるのこぎりとマイナスドライバーで、なんとかすることにしたのです。


一番上の板は、びくともしません。端から刃の荒いのこぎりでギコギコやって、そこにマイナスドライバーを入れ込んで、てこの原理で力任せに。思っていたのとは違う外れ方をしたりもしましたが、最後は板の集まりになりました。
引き出しが入っていた段の板は、木ダボ(木の接合部分を固定する小さな木の棒)を切断して外しています。引っこ抜く力がありませんでした。
このとき、押し入れに入っていたひな人形のガラスケースと五月人形の飾り台、それにスチール棚とパイプハンガーも処分しています。家具を減らすと押し入れの中が動き、押し入れの中が動くとまた何か出てくる。そういう連鎖がありました。
タンスの一番下の長い引き出しだけは、捨てずに取っておきました。しばらくは別の部屋に置いて、猫の居場所のひとつになっていました。それも今は処分しています。
ソファーは3つの処分方法から選んだ
いちばん手こずったのがソファーです。


12年使った3人掛けで、ひじ掛けは猫の爪とぎになってボロボロでした。置いてあったのは2階です。運び入れたときは男性3人がかりで、友人が引っ越しで借りた2tトラックに乗ってやってきました。確か縦にして運び入れたと思います。
同じことをもう一度、というわけにはいきません。当時のメンバーは呼べませんし、代わりの人手のあてもありませんでした。
処分のしかたを3つ、くらべました。
| 方法 | かかるお金 | 条件 | 私の場合 |
|---|---|---|---|
| そのまま処分場に持ち込む | 重さぶんの手数料だけ | 2階から運び出して車に積める人手が必要 | 人手が集められず断念 |
| 自治体に回収に来てもらう | 1,030円(応接用ソファー3人用以上) | 玄関の外に出しておくことが必要 | 玄関の外まで出せず断念 |
| 解体して処分場に持ち込む | 重さぶんの手数料だけ+道具 | 解体できる道具と、解体後の板を運び出す車が必要 | 採用 |
もちろん、民間の業者に頼む、という方法もあります。ただ、そのときの私には経済的に無理でした。
自治体の回収は、家の前まで来てくれます。ただし「玄関の外に出しておくこと」が条件で、家の中からの運び出しには対応しないとのことでした。
運び出しがいちばん大変なので、ここでつまずく人は多いと思います。
2階から下ろせないなら、2階でバラすしかありません。
ところが、素手で外せたのはファスナーでついていた背もたれだけ。食器棚やタンスのようにはいきませんでした。
助けてくれたのは、以前のバイト仲間です。数人で家に遊びにきてくれた時に、その中のひとりが助っ人を買って出てくれました。日にちも決めて、9月の第2日曜に持ち込む計画を立てました。
道具は電動のこぎりとバール。食器棚の解体時に電動のこぎりを貸してくれた同級生に「また貸して」と連絡したところ、「使わないからやる」と送ってくれました。
バールは、よく行くパン屋さんで借りました。これが想像以上の働きをしています。ひじ掛けを外せたのはバールのおかげで、私の力では無理だったと思います。


座面はカッターやハサミも使って外し、背もたれは手ではぎ取りました。車に積み込むところまでで、その日は終わりです。


処分場の料金は重さで決まる
翌日、解体したソファーを処分場に持ち込みました。
持ち込みの手続きは、思っていたより簡単です。車ごと量りに乗り、荷物を降ろして、もう一度量る。その差が捨てたものの重さになります。降ろしはじめると、職員の方も運んでくださいました。
そのときの伝票が残っています。


車ごとの総重が1,080kg、荷を降ろしたあとが1,030kg。差し引き50kgです。単価は10kgにつき25円で、金額は125円。ところが料金の欄は120円になっていました。10円未満が切り捨てになるためです。
私の住む自治体では、家庭ごみの持ち込みは10kgにつき25円。1回の持ち込みが40kgまでなら無料で、50kgからは全体に手数料がかかります。持ち込みは平日も受け付けていますが、日曜日に持ち込めるのは毎月第2日曜日の午前中だけです。
金額も、無料になる重さも、自治体によって違います。お住まいの自治体のごみのページで、ご確認くださいね。
払った額の記録は、3回ぶん残っていました。
| 手放したもの | 重さ | 料金 |
|---|---|---|
| 食器棚、細長いテーブル2台 | 記録なし | 220円 |
| 本棚、和室の棚、引き出し | 60kg | 150円 |
| ソファー | 50kg | 120円 |
ぜんぶで490円です。
ちなみに、食器棚の時の所要時間は、積み込みに10分、処分場まで車で15分、降ろすのに5分でした。
業者に頼むと何にお金がかかるか
自分の手を動かしたから、この金額で済みました。業者に頼むとなると、お金のかかり方そのものが変わります。
処分場に支払ったのは、50kgのソファーで120円です。捨てること自体には、そんなにお金がかかりません。
お金がかかるのは、運び出す人手と運ぶ車です。
私が自分でやったときも、必要だったのはその2つでした。車は自分の車、人手は借りたり手伝ってもらったりで足りたので、490円で済んでいます。
叔父の家を片付けたときは、業者に頼みました。そのときにいくらかかったかは、別のお話にまとめています。


自分でやれば安くなります。そのかわり、人手と車を自分でなんとかしなければなりません。
自分ひとりでやれること やれないこと
年かけて手放してみて、自分ひとりでやれるものと、やれないものがわかってきました。
自分ひとりでやれたのは、木の家具です。食器棚、本棚、タンス、和室の棚。木ネジと凹凸の組み合わせでできているので、順番さえ見つかれば、のこぎりとドライバーで板に戻ります。力よりも、てこの原理でした。
やれなかったのは、ソファーです。布と詰め物、木枠と金属が組み合わさっていて、どこから刃を入れればいいのかわかりませんでした。ひじ掛けはバールと、手伝ってくれる人がいて、やっと外れました。
そして今回、どの家具でも共通して必要だったものが3つあります。
- 運び出す車:軽でも乗用車でも、後部座席が倒せた方が入れやすいです
- 工具:今回は買わずに済みました
- 持ち込める日:もし月に一度しかないなら、そこから逆算して解体の日を決めることになります
電動のこぎりを送ってくれた同級生、バールを貸してくれたパン屋さん。そして、ソファーの解体を手伝ってくれたバイト仲間。大きいものを手放すのに要ったのは、道具よりも人の手でした。
ソファーがなくなった場所には、今は三つ折りのマットレスを敷いて、その上に猫用のクッションをふたつ置いています。
あれから3年でさらに、テレビ台用のデスク、キャットタワー、パーソナルチェア、2列のカラーボックス、数個のプラスチックケースが家から出ていきました。
それでも、まだ検討の余地があるものもあります。少しずつ処分していこうと思います。



まだ机が5台あるのよ



多いな笑



今はそれぞれ必要だから



使っているならいいんじゃない?
